墓石170基に赤い○× 富山の市営墓地、骨つぼ盗難も

2008年9月6日3時2分

 5日朝、富山市西番の市営墓地「富山霊園墓地」の墓石など170基に赤いペンキで「○」「×」などと落書きされているのが見つかった。市から被害届を受けた富山中央署は、器物損壊事件とみて捜査を始めた。同市を含む富山県東部では今春以降、墓から骨つぼがなくなっている事件も30件以上起きており住民の間に不安が広がっている。

 市などによると、午前6時15分ごろ、墓地の近くをジョギングしていた男性が落書きを見つけた。昼間、墓地に常駐している有志数人が4日午後3時ごろに見回った時には、落書きは見あたらなかったという。

 墓地は南北に長く、広さ約12ヘクタール、墓石は7千基余りあるが、被害は墓地の南東端の区画に集中。落書きは「○」「×」のほか、「レ」や「W」のような形があった。さらに、墓地近くの倉庫にも同じような落書きがあった。いずれもスプレーを使ったとみられる。

 親類から被害の連絡を受けてやってきた富山市月見町、山口正市さん(61)は「こんなことをして、ばちがあたる。何の得になるのか」と憤怒。先祖代々が眠る墓で、近く落書きを消すつもりだという。

 富山県内では、今年4月以降、墓から骨つぼがなくなる被害も相次いで発覚した。県警によると、5日までに7市町で計33件の被害が確認されているが、被害の大半は女性の骨つぼだという。しかも、盗難にあった墓には、下着や不可解なメモが残されていたり、墓石に「お預かりしていきます」と油性ペンで書かれたりしていたという。
http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY200809050341.html