「泥薬師如来」泥落とし供養 400年ぶり拝顔

 2008年10月21日08:37 

 病のあるところに泥を付けてお祈りすると治るといわれる田中泥薬師如来の「泥落とし大供養祭」が25日、瑞浪市薬師町四反田公園内にあるお堂で開かれ、ほぼ400年ぶりに本尊が姿を見せる。田中泥薬師保存会が「ご本尊の姿を確認することで、本当の文化的・歴史的価値が確認できれば」と、泥を落として供養することを決めた。

 同薬師如来に関しては文献などはなく、その由来や本尊の姿を知る人は誰もいない。高さ約3メートル、幅約2メートル、奥行き約2メートルの小さなお堂の中に祭られており、お参りに来た人たちの手で、全体が泥で塗り固められている。頭はお堂の梁(はり)につかえてる状態。刻銘も不明のままだが、お堂の脇には灯ろうが立っており、寛延3(1750)年と刻まれていることから、薬師如来はそれ以前のものと推測される。

 言い伝えによると、戦国時代の末期、同薬師如来によって難病が治ったと信じる村人たちが、織田信長の仏閣焼き払いの命の際、土中に穴を掘って薬師如来を隠したという。その後、世に平穏が訪れ薬師如来を現在の場所にお祭りしてからは、村人たちが病のあるところに泥を付けてお祈りするようになった、という。現在でも泥を付けてお祈りする人の姿が見られる。

 長い間、村人の病を治し続けてきた薬師如来。「このままにしておいた方が」「たたりがあるのでは」といった反対意見があることも事実だが、同保存会の小栗敏雄会長(75)は「言い伝えだけでなく、ご本尊の本当の姿を確認し、その価値を知ることも大切」と話している。

 供養祭は同所で午前10時から行われる。
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20081021/200810210837_6167.shtml

田中泥薬師 http://www8.ocn.ne.jp/~kanko/doroyakushi/doroyakushi.html
関連記事 http://blog.livedoor.jp/askkjp/archives/51118377.html