レインメーカー?

人工雨作戦、国王が指揮 タイで干ばつ被害380億円2005年03月20日22時07分
タイで干ばつの被害が広がっており、人工雨の知識が豊富なプミポン国王が、自ら降雨作戦の先頭に立つことになった。中部海岸の町ホアヒンにある人工雨センターの設備を最新のものに改良し、各地のセンターのモデルにするという。
タイでは乾期の終わりに近い今月に入って、干ばつの被害が東北部を中心に広がっている。メコン川の支流などにあるダム数カ所では、農業用の水の供給を止めており、米の作付けに大きな影響が出始めている。
政府によると、干ばつは全国76県の9割に及んでおり、被害総額は140億バーツ(約380億円)。その半分以上が農業被害だという。プミポン国王は、第2期の政権を発足させたばかりのタクシン首相に、干ばつ対策に力を入れることを要請した。
国王は農業やかんがい問題に関心が強い。50年代から自分が中心になって人工雨の研究を始め、69年には国王プロジェクトを実行するための航空部が農業・協同組合省にできた。ドライアイスや薬剤をまいて雨雲を作る際に、複数の航空機で温度差のある雲を作る方法を開発し、より広い地域に雨を降らせることを可能にしたという。
同省によると、国王は国内にある10カ所の人工雨センターに対し、すでにいくつかの具体的な指示を出している。またセンターを数年で倍程度に増設するとともに、国王直轄のセンターにならったレベルアップを図る計画だ。