院生某氏と一緒にどこか(九州か?)に調査に出かけている。調査にいった所は、非常に発達した石造りの用水路がひかれているところであった。田んぼの縦横にインカの石組みのような水路が走っている。
某氏が飛び込みで調査をしている横で、部分によっては意匠の施された石製の樋をみて感心しながら写真を撮っている。あるおじさんに聞き取りをしているのだが、反応がいま一つかんばしくない。別のおばあさんに、用水の管理の聞き取りをしたら、ようしっているおばあさんを紹介してくれることになった。
そのおばあさんの所にいって、照会してくれたおばあさんが声を掛けたら、声はするけれども姿がない。農機具をおさめた小屋から声がするのだが、姿が見えない。「ここや。ここや。なかなかおりられへんねやに。」といって、上を見たら、おばあさんは屋根裏で作業をしていた。鴨居に座ったおばあさんは顔がとんがっていて賢そうな感じである。
おばあさんと、最初のおじさんと、照会してくれたおばあさんとでガラス窓(昔の学校にはまっていたようなぺらぺらのガラスの入ったガラス窓)のある公会堂かそんな感じのところの広場で話を聞いている。
おばあさんは、水を管理する役の人であって、文書を出してきてくれた。撮影しようとすると、私のフイルムの残りが9枚で、某氏もほとんどフイルムをもっていない。これはもう一泊して、どこかでフイルムを調達してこなければならないな、と思いながらおばあさんに、明日もう一回こさしてもーてよろしいか、などと言っている。
聞き取りによると、用水路の建設に用いられている石は全て神戸から運んだ御影石だそうだ。用水は、複数村でかなり厳密な管理運用がおこなわれているようだ。水は、夜に流すらしい。
用水路の一角に、湯船のような感じで、水を広く浅くためた部分があり、その上には屋根もかけてある。某氏は、既存の報告書を勉強してきていて、「あれは沐浴場のはずなんですが。」と言っているが、聞き取りではそういう話はでてこない。