バグダッド 住民65人の遺体発見 “処刑部隊”無差別に殺害

 【カイロ=村上大介】AP通信によると、イラク警察当局者は13日、首都バグダッドの各所で同日朝までのわずか1日の間に、拷問などを受けたうえで殺害された住民ら少なくとも65人の遺体がみつかったと発表した。深刻な宗派対立を背景としたもので、45遺体はイスラムスンニ派が多いバグダッド西部で、残りはシーア派が多い東部で見つかった。ほとんどが身元不明のままだ。
 バグダッドでは、シーア派スンニ派ともに“処刑部隊”が無差別に相手側住民を誘拐して殺害する事態が続いており、スンニ派過激組織によるテロよりも一般住民にとっては深刻な事態となっている。1日でこれだけの遺体がみつかったのは過去にも数件しかない。
 こうした“処刑部隊”による被害の実態は明らかではないが、国連は宗派抗争を背景とした殺人被害者が、7月の1カ月間にバグダッドだけで1500人を超えたと発表。一方、イラク保健省は、市内の死体安置所に運び込まれた遺体数の公表を停止している。
 処刑部隊は、シーア派各派が維持する民兵組織の一部や、スンニ派武装勢力のほか、政府の治安組織に入り込んだ各派の民兵が実質的に担っているとみられ、実態が分からないだけに市民の恐怖を呼んでいる。
 一方、ロイター通信によると、13日朝、バグダッド市内の交通警察本部前など2カ所で自動車爆弾が爆発、少なくとも22人が死亡、70人以上が負傷した。爆弾テロも連日、発生している。
産経新聞) - 9月14日8時2分更新
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