公安調査庁、オウム施設を一斉検査 死刑確定の反発警戒

2006年09月16日13時05分

 オウム真理教元代表松本智津夫麻原彰晃)被告(51)の死刑確定から一夜明けた16日午前、公安調査庁は全国の教団の拠点施設25カ所で一斉に立ち入り検査を始めた。動員数は約250人で、過去最大規模という。

 立ち入りしているのは、東京都世田谷区の南烏山など都内4施設をはじめ、北海道、宮城、埼玉、神奈川、愛知、大阪、福岡の施設など16都道府県の各施設。

 教団内には、いまも松本被告を支持する信徒が多くいることから、公安調査庁は、今回の死刑確定のニュースを受けて、信徒の間で動揺や反発が広がる可能性があると予想している。

 一斉立ち入りは、こうしたなかで、教団内に危険な動きの兆候がないかチェックする狙いだという。

 南烏山の施設には午前9時半ごろ、公安調査庁と書かれたそろいの青い作業服を着た職員19人が到着。二手に分かれ、道路を挟んで別々のマンションにある上祐史浩代表と反上祐派の施設に同時に入った。周囲に住民の姿はほとんどなかった。

 大阪市西成区の施設には、ビデオカメラなどを持った公安調査庁の職員約10人が入った。広報担当の40代男性信徒によると、この施設は上祐代表派で、7人の出家信徒はこの日も普段と変わらずに過ごしているという。この信徒は「私たちは麻原の神格化をすでに否定しており、動揺はない」と話した。

 「反上祐派」とされる同市生野区の施設にも約10人が入った。道場の窓には室内が見えないよう目張りがされていた。
http://www.asahi.com/national/update/0916/TKY200609160119.html