「火山観測、このままでは水準維持困難」文科省分科会

2007年01月16日10時47分

 文部科学省の科学技術・学術審議会測地学分科会は15日、火山観測に必要な費用の確保が難しくなっているとして、「現在の火山監視能力のレベル維持は困難」とする報告をまとめた。各大学の観測データは気象庁も利用しており、観測や噴火予知体制の抜本的な見直しが不可欠だとしている。

 分科会は、次期火山噴火予知計画を策定するために、現計画(04〜08年度)の実施状況と課題を検討した。報告は、04年の国立大の法人化で国から交付される運営費や人員が減る一方、外部資金の確保も難しく、「近い将来、観測研究の縮小が危惧(きぐ)される」とした。

 報告をまとめた藤井敏嗣・東京大教授は「このままでは将来は観測点を減らさざるを得なくなる」と話した。
http://www.asahi.com/national/update/0116/TKY200701160123.html