英語リスニングで再びトラブル センター試験初日終了

2007年01月20日22時02分
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大学入試センター試験で、リスニングのため配られるICプレーヤー=20日午後5時35分、東京・本郷の東京大学で、代表撮影

 大学入試センター試験は初日の20日、午後に英語のリスニングテストが行われた。初めて実施され大きな混乱が生じた昨年に続き、今回も「ICプレーヤーの音声が聞こえづらい」などといった訴えが全国各地の会場で相次いだ。いったん試験を中断し、その後続ける「再開テスト」を受けた受験生は、センターの集計では381人(21日午前0時現在)に達し、昨年の457人に迫った。

 センターによると、リスニングテストは志願者の89.9%にあたる49万7508人が受験し、再開テストはそのうち0.077%が受けた。センターは、昨年の混乱を受けて機器や試験方法を改良したが、再びトラブルが起きたことで、試験のあり方が改めて問われそうだ。

 センターの松ケ迫和峰事業部長は「受験者に大変迷惑をかけて、申し訳ない。不具合のあった機械を回収、検証し、その結果を受けて不具合が少しでもなくなるように努力したい」と述べる一方、試験は現在の方式を続ける方針を明らかにした。

 センターによると、リスニングテスト中に機械の不具合を訴えた受験者は351人、機械を机上から落としたり、鼻血が出たりしてテストを中断したのは43人で、計394人が再開テストの対象になった。監督者の不適切な指示も2件あったという。再開テストの対象者のうち、13人が辞退した。

 再開テストの受験者は、東京都の47人を筆頭に愛知県27人、千葉県24人。会場の管轄大学別では東京大が12人、愛媛大が9人、千葉、横浜国立、富山、名古屋、姫路独協の各大学が7人など。新潟大では再開テストがうまくいかず、計4回実施し、終了が予定より2時間10分遅くなった例があり、福岡市内の会場でも「再々開テスト」があった。

 リスニングテストは30分間で、各受験生に1台ずつICプレーヤーを配り、イヤホンを通じて問題を聞き取る。不具合があった場合、受験生は手を挙げて申し出て、監督者がその時点で何問目まで回答したかを確認する。再開テストは通常試験の終了後、不具合が起きた問題以降に絞って実施する。

 昨年不具合の訴えがあった444台のプレーヤーをセンターが検証した結果、問題を録音した音声メモリーにごみが付着した例や、イヤホンの接触不良などを中心に、約7割の321台で問題が確認された。このため、今年はプレーヤーを改良したほか、イヤホンを差し込んだ状態で配布するなど工夫していた。

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 リスニング以外の各教科の受験者数と、志願者数に対する割合は、公民32万1882人(58.2%)▽地理歴史36万795人(65.2%)▽国語48万7440人(88.1%)▽外国語(筆記)50万4626人(91.2%)。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200701200295.html