「丹波竜」の化石 本格発掘始まる

2007年02月16日
写真

 国内最大級の草食恐竜などの化石が見つかった丹波市山南町の篠山川の河原で15日、県立人と自然の博物館三田市)の主導で、地元のボランティアら20人余りが参加し、手作業の本格的な発掘が始まった。埋まっている化石を傷つけないよう、ハンマーなどを使って慎重に掘り進めた。この日、サンドパイプ(甲殻類などの巣穴)や植物化石は出たが、恐竜の化石は見つからなかった。発掘は3月末までの予定で、成果次第では追加の発掘も検討するという。

 同博物館が募集した発掘ボランティアには、地元・丹波市などから20人が応募した。ボランティアらはこの日、博物館の研究員の指導のもと、研究員らが掘り崩した泥岩の中に化石が入っていないかどうか見極める作業に携わった。今後化石の見極めに慣れてくれば、ハンマーで地層を掘る作業にも加わるという。

 ボランティアに参加した近くのパート従業員荒木幸枝さん(57)は「地元で化石が出たことに感激している。肉食恐竜の歯はダイヤモンドみたいにきれいだと聞いた。見つかるといいな」と話した。元理科教員の松原薫さん(58)は「恐竜の化石はもちろんだが、当時の環境が分かる植物などの化石も見つけたい」と意気込んでいた。

 化石の第一発見者の村上茂さん(62)と足立洌(きよし)さん(63)もボランティアに参加。村上さんは「ひさしぶりにハンマーを触れてうれしい」。足立さんは「ゆうべはワクワクして眠れなかった。どんなものが出てくるか楽しみ」と話した。

 15日朝には、丹波市の辻重五郎市長も現場を訪れ、「地元に大きな夢を与えてください」とボランティアらを激励した。
http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=29000000702160002