住宅に5人の白骨遺体 室内は施錠 福岡・大牟田

2007年04月04日00時13分

 3日午後5時50分ごろ、福岡県大牟田市明治町3丁目、永江茂夫さん(99)宅に5人の遺体があるのを大牟田署員が見つけた。市職員から「永江さん夫妻と連絡がとれない」との相談を受けて確認に訪れた。遺体はいずれも成人とみられ、性別の判断が難しいほど一部白骨化またはミイラ化していた。死期はそれぞれ異なり、死後20〜4年とみられている。県警は4日から司法解剖して死因などを調べる。

 県警は、永江さんと妻フミコさん(92)のほか、夫妻の子ども6人のうち3人と連絡がとれていないことから、遺体はこの5人ではないかとみている。

 連絡がついた子どもの1人は3月中旬、夫妻の安否を尋ねた市職員に「両親は元気だ」と話していた。遺体の中に夫妻が含まれているとすれば不自然な内容のため、県警は子ども3人から事情を聴いている。

 永江さん宅は木造平屋建て。遺体発見時は出入り口の鍵がすべてかけられ、雨戸も全部閉まっていた。遺体は3部屋で分かれて見つかり、全員が敷布団の上に仰向けに寝た状態で、一部には掛け布団もあった。いずれも服を着て目立った外傷はなく、室内が荒らされた形跡もなかった。1人の遺体の近くには、消臭用とみられる線香が置かれていたという。

 県警は、永江さんの周辺から「宗教的なことに凝っていた」などの証言を得ており、遺体が長期間放置されていたこととの関連を調べている。

 市保健福祉部などによると、民生委員から3月中旬、「永江さん夫妻の顔が長い間見えない。住んでいないようだ」と市に連絡があった。数日後に市職員が訪れたところ、人が暮らしている様子がなく、同市に住む子どもに尋ねると「熊本の方で元気に暮らしている」との説明だった。

 その後も市は、永江さん宅に「連絡がほしい」との手紙を置くなどし、3月30日に大牟田署へ相談したという。

 現場はJR大牟田駅の北約2キロの住宅街。商店や小学校もあり、日中は人通りが多い。
http://www.asahi.com/national/update/0403/SEB200704030010.html