アイデア続々「恐竜のまち」…兵庫・丹波でシンポ

化石発見2氏に感謝状
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恐竜とまちづくりについて意見を述べるパネリストたち(兵庫県丹波市山南町のやまなみホールで)

 「恐竜を活(い)かしたまちづくりシンポジウム」(丹波市、県立人と自然の博物館共催)が22日、丹波市山南町谷川の市立やまなみホールで開かれた。まちづくりをテーマにしたパネル討論では、恐竜化石の発見を機に、子どもたちの自然学習を充実させ、市内で古生物学会を開くなど、様々なアイデアが提案された。辻重五郎市長は「多くの宿題をいただいた。希望に応えられるよう頑張る」と話し、出席した約360人からも恐竜を生かしたまちづくりを望む意見が出された。

 冒頭で、恐竜化石を発見した足立洌さん(63)と村上茂さん(62)(いずれも丹波市)に、辻市長が感謝状を贈った後、発掘調査担当の三枝春生・同博物館研究員が基調講演した。三枝研究員は「今回の調査で竜脚類のかなりまとまった化石が見つかった。世界的にも竜脚類の進化を考えるうえで重要なものになる。発見者の功績は大きい」と語った。

 パネル討論では、発見者と岡絵理子・関西大環境都市工学部准教授、辻市長ら5人のパネリストが「恐竜を活かしたまちづくり」と題し意見発表。足立さんは「子どもが野山から消え、将来の丹波に不安を覚える。化石を知的財産として活用し、自然学習の機運を高めることが大事」。村上さんは「上久下地区の伝統産業、檜皮(ひわだ)ぶきの民家風の博物館の分館建設を望む。古生物学会を山南町で開いてはどうか」などと提案。岡准教授は「住民が町を思い、語るツールとして恐竜を活用することが重要」と話していた。

 聴講者も「まちおこしには篠山市を含めた広域的な観点が必要」「『恐竜化石保護条例』が施行されるが、アマチュアの化石研究者の熱意を妨げないよう望む」などと意見を述べていた。
(2007年4月24日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/dinosaur/20070424kf01.htm