大量古木、マダイ漁直撃 中越沖地震で海底から浮上?

2007年07月24日13時08分

 新潟県中越沖地震の発生後、震源地付近の海域で大量の古木が出現し、網にひっかかって操業できずに漁獲高が大幅に減るなど影響が出ている。海底の泥の中に埋もれていた木が地震の影響で出てきたらしい。地元漁協によると、日本海沿岸の約20キロの広い範囲で確認されたという。県も調査船を出して海中の様子を調べるなど対策に乗り出した。

 柏崎市に隣接する出雲崎町の漁協は23日朝、震源地付近の海域に漁船8隻を出し、約4時間、水深70〜100メートルの海底に網を引いて古木を回収した。長いもので1メートルほど。大半が炭化しており、海底の泥と思われるものがべっとりついた状態のものもあった。

 出雲崎漁協によると、古木が確認されたのは、震源地付近から出雲崎町沖合にかけての長さ約20キロで、幅約2キロの範囲。出雲崎漁港の岸壁にはこれまで約25トン分が陸揚げされた。

 今はマダイの漁期で、高値でキロ当たり2000円になる。だが、網には古木がかかるため、漁獲高は5分の1ほどに落ち込んでいるという。坂下甚十郎組合長は「これほど大量の古木を見たことがない。柏崎の沖から出雲崎の先まで帯状にあるようだ。いつになったら片づけられるのか見当もつかない」と話す。

 県災害対策本部や新潟海上保安部によると、古木は長岡市寺泊などでも見つかっているという。県水産海洋研究所も23日、調査船を出して、水中カメラで海中の古木の状況を調査した。立ち会った研究員は「海の中に沈んでいたのだろうが、このようなものは初めてだ」と驚いていた。

 県水産課は「地震で浮き上がってきたものと考えられ、漁への影響などを問題視している」として、専門機関に鑑定を依頼するなどして原因究明を進める考えだ。
http://www.asahi.com/national/update/0724/TKY200707230658.html