浅草三社祭、来年の宮出し中止 「神輿に乗らぬ」守れず

2007年07月24日20時18分

 東京・浅草の三社祭を主催する浅草神社と同神社奉賛会は24日、3基の本社神輿(みこし)を担ぎ出す祭りのメーンイベント「宮出し」を、来年は行わないと発表した。神社側は5月に行われた今年の祭りで、神輿に乗らないよう求める「禁止令」を出していたが破られたため。宮出しの中止は、修繕などを除くと記録になく、「おそらく初めて」(神社側)という。

 宮出しは例年、3日間にわたる祭りの最終日の早朝に行われ、1万人を超す担ぎ手たちが参加する。神輿は宮出しの後、地元の人々によって各町を渡御する。

 昨年、神輿の上に大勢が乗って担ぎ棒が折れる事故があり、神社側は「祭られている神霊を汚す行為」として今年、乗った場合は来年の宮出しを中止することを通達。それでも数人が乗った。

 祭りを終え、各町の代表者でつくる奉賛会は対応を協議。24日の総会で、通達通り、来年の宮出しを中止することにした。奉賛会の永野章一郎副会長は「多くの観光客が集まるイベント中止の影響や、イメージダウンを心配する声も上がり、悩みに悩んだ。しかし地元の人たちの祭りを取り戻すには今しかないと決断した」と話す。

 宮出し以外の祭事は例年通り行われる。神社側は、宮出しに代わる祭事を検討するという。

 今年の三社祭は3日間で約150万人の観光客が集まった。
http://www.asahi.com/national/update/0724/TKY200707240547.html