「稀星」は「きらら」か? 出生届受理で2市町対応に差

2007年08月17日19時50分

 「稀星」は「きらら」と読める? 今年2月に生まれた赤ちゃんの名前の読み仮名をめぐり、富山市富山県立山町が出生届受理で異なる対応をしたことが17日、わかった。富山市は受理し、立山町は再考を促した。名前の読み仮名は戸籍法には定めがなく、法務省は「漢字からおよそ連想できない読み仮名は再考を促すよう各市町村にお願いしている」という。

 「稀星」と書いて「きらら」と読む出生届を提出したのは、立山町在住の夫妻。妻が2月に富山市内で女児を出産し、夫が立山町に提出した。立山町は「星で『らら』とは読めないが、いいか」といった趣旨を説明し、夫に再考を促した。夫は一度病院に戻り、看護師から富山市でも届け出ができることを教えてもらい、その日のうちに富山市へ提出。富山市は「親が名前に込めた思いは大きい。読み方は法に定めがなく、特異でない限り意向を尊重する」と受理したという。

 妻によると、「きらら」という名前は、夫が希望し、漢字は市販されている名付け辞典にあったもので、画数がよいため、決めたという。妻は「すぐに受け付けられなかったのはショックだった。自治体によって対応が違うのは腑(ふ)に落ちない」と首をかしげる

 法務省によると、戸籍法は使える文字を同法施行規則で常用漢字人名用漢字、カタカナ、ひらがなとしているが、読み方には言及していない。同省は「読み仮名が不適切というだけで不受理にするのは法的根拠に乏しく、できないのではないか」としている。

 戸籍には読み仮名は記載されないものの、住民票を作成する際に必要なので、届け出書に書いてもらっているという。
http://www.asahi.com/life/update/0817/TKY200708170324.html