大阪や東京、暑かった 熱帯夜が猛暑加速 8月平均気温

2007年08月29日11時57分

 秋雨前線が列島にかかった29日、東日本を中心に暑さは和らぎ、記録的だったこの夏の猛暑は峠を越えた。埼玉県熊谷市岐阜県多治見市で国内最高の40.9度が出たこの8月。しかし、平均して暑かったのは大阪や東京だった。熱帯夜が多く、都市化によるヒートアイランドが猛暑を加速させていた。


 気象庁の27日までのまとめによると、8月の平均気温が最も高いのは大阪市の30.1度。大阪府豊中市、八尾市、東京都練馬区岐阜市の29.7度が2位に並ぶ。8月としては、大阪市が過去3番目、東京都心の29.5度は観測史上最も暑い。

 東京や大阪の平均気温を押し上げたのは、最低気温の高さだ。平均値は大阪市26.4度、東京都心26.2度。最高気温が35度以上の猛暑日日数では圧倒的に多い熊谷市の24.4度や多治見市の23.4度を2〜3度程度上回る。

 最低気温が25度以上の熱帯夜の日数を見ると、大阪市24日、東京都心22日で、熊谷市の9日、多治見市の3日に比べても圧倒的に多い。コンクリートに覆われ、オフィスや家庭のクーラーなどの熱が夜間にも出ることによるヒートアイランドが一因とみられる。

 東京都心の場合は、極端な雨の少なさも影響した。27日までの雨量は6.5ミリで平年の4%と観測史上最低。夕立がほとんどなく、昼の暑さが夜まで残った。16日夜から17日朝にかけては30度を下回らず、観測史上最も暑い「真夏日の夜」となった。

 ウェザーニューズ社(東京)は8月1日から、首都圏の約2000人にポケットに入る温度計を持ってもらい、街中や公園などいろんな場所で気温を測ってもらっている。同社によると、照り返しの強いアスファルトやベランダ、車の中では40〜50度になっているという。

 実際の気温とともに、「体感」の暑さも報告してもらっている。打ち水の後では、約9割の人が涼しくなったと感じたという。

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 〈ヒートアイランド〉 都市の気温が周辺より高い状態のこと。気象庁によると、地表面がアスファルトやコンクリートに覆われ、水分が少ないために土などの地面に比べ出す熱が多くなり、気温が上がる。コンクリート建物は日中ため込んだ熱を夜間に大気に与え、気温の低下を抑える。オフィスや家庭の冷房などの熱も影響し、首都圏では2度程度気温を上げるという。大阪平野では、広い範囲で都市化が進み、「広域ヒートアイランド」とも呼ばれている。
http://www.asahi.com/life/update/0829/TKY200708290124.html