新生OSK歌劇団が頓挫、民事再生手続きの開始決定

2007年09月18日

 近畿日本鉄道の支援打ち切りで解散した旧OSK日本歌劇団のファンらの出資で04年に設立された「NewOSK日本歌劇団」(大阪市港区、谷康滋社長)が、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し、自主再建を断念した。地裁は17日付で再生手続きの開始を決定した。再生管財人によると、興行成績の不振などによる負債総額は約2億円。スポンサーに名乗りをあげる企業もあり、公演は続けるという。

 旧OSK(1922年創立)は関西で宝塚歌劇団と並ぶ人気を誇り、笠置シヅ子京マチ子らのスターを生んだ。03年5月、親会社の近鉄の支援を打ち切られて解散。ファンや元団員らが「存続の会」を発足させ、04年秋に設立された。

 現在は資本金1千万円で、劇団員34人、職員2人が在籍。「女性だけのレビュー劇団」の伝統を引き継ぎ、大阪市港区の小劇場「カルチェラタン世界館」などを拠点に公演を重ねていたが、赤字経営が続いていた。

 谷社長は管財人と連名で「債権者やファンの皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけし、心からおわび申し上げます。劇団員・従業員一同、一致団結して劇団の存続と発展を図って参る所存です」との談話を出した。

 <NewOSK日本歌劇団> 1922(大正11)年創立の松竹楽劇部が前身の女性だけのレビュー劇団。43年に大阪松竹歌劇団(OSK)と改称し、庶民的な親しみやすさと華やかなラインダンスで人気を博した。70年にOSK日本歌劇団と名を変え、翌年近畿日本鉄道の傘下になったが、経営難から03年5月に解散。04年に元団員らが再結集し、企業や個人の協賛金で運営する「NewOSK日本歌劇団」として新たなスタートを切った。