産総研「深く反省」、関係者処分検討 病原体ずさん管理

2007年10月17日11時43分

 産業技術総合研究所特許生物寄託センターが病原体をずさんに管理していた問題で、産総研の一村信吾理事、山岡正和・同センター長ら幹部4人が17日、茨城県つくば市産総研つくば本部で会見し、「運用上の瑕疵(かし)があり、深く反省している」などと謝罪した。実態を突き止め、関係者の処分を検討する方針を明らかにした。

 一村理事らは、同センターは84年以降、ブルセラ菌など3株を「レベル3」として、内規に違反して受け入れていたことを説明。このほか、レベル2の菌15株も内規に反して受託していたことも明らかにした。02年の時点では、当時の内規で受け入れできない菌株を約300株保管していたという。

 非常勤職員に危険な菌であることを告げずに作業させていたことについて、一村理事は「レベル3の疑いがある病原体が『レベル1』と判明したので、健康上の問題はない。退職した職員も捜し出して、直接お会いし経緯を説明し、これまで事実を伝えなかったことなどを、おわびしたい」と説明した。

 産総研は17日、副理事長が、つくば市長を訪ねて経緯を説明、謝罪する予定にしている。

 一方、経済産業省も同日午前、産業技術政策課が記者に説明、01年にセンター幹部から内規違反の指摘を受けていたことを認めた。「的確さ、速さの点で適切な対応をしていなかった」とした。
http://www.asahi.com/national/update/1017/TKY200710170108.html

特許生物寄託センター http://unit.aist.go.jp/ipod/ci/index.html