蘇生譚


<女性蘇生>遺体安置室で生存判明 女性は意識不明の重体

20日午前10時すぎ、北海道北見市豊地の無加川の堤防で、女性(27)が倒れているのが見つかった。駆けつけた北見消防署の救急隊員は死亡と判断したが、発見から約1時間半後に道警北見署の遺体安置室で生きていることが判明、病院へ搬送された。女性は意識不明の重体という。

北見署や北見消防署によると、発見現場では警察官が立ち会い、救急隊員が女性を調べた。救急隊員は意識、脈、瞳孔反応がなく、死後硬直が始まっているとして、同10時28分に「死亡」と判断。その後、北見署員が同署の車で女性を署内の遺体安置室へ搬送した。

ところが、署員が検視のため服を脱がせて胸に手と耳を当てたところ、11時40分すぎに心臓の鼓動を確認、生きていることが分かった。北見市内にある女性の自宅には遺書があり、同署は自殺未遂とみている。 札幌管区気象台によると、寒波の影響で20日の北見地方は最低気温が氷点下5.8度で、発見された午前10時も氷点下2.5度だった。同署などは、気温が低く、一時的に仮死状態になった可能性もあるとしている。

新井山勉・北見消防署長は「救急隊員は現場で正当な手続きを踏み、死亡との判断に問題はないと思うが、寒冷地の状況を踏まえ、より厳密な死亡確認方法を考えなければならない」と話している。【丸山博、井上英介】

林成之・日本大総合科学研究所教授(救急学)の話 体温が32度以下になると、生きているのに心拍が弱まって脈が触れず、鼓動が聞こえなくなることがある。私自身、救急隊が死亡と判断した低体温症の患者を回復させた経験がある。患者が低体温の場合は、生命反応がなくとも病院に運び、蘇生のための医療行為を続けないといけない。(毎日新聞) - 2月20日23時0分更新

北見の消防 意識不明を「死亡」 河川敷で発見女性、安置室で生存判明
2005/02/20 23:50 【北見】


北見市内で二十日、河川敷に倒れていた女性(27)を消防の救急隊員が「死亡」と判断し警察署に搬送したが、その後、心臓が動いていることが分かり、女性は急きょ病院に運ばれ、手当てを受けている。

北見地区消防組合消防署などによると、同日午前十時二十分ごろ、同市豊地の無加川の堤防付近で女性が倒れているとの通報があり、救急救命士と救急隊員が駆けつけたが、脈拍と呼吸がなく瞳孔が開き、下あごの硬直が認められたため、死亡と判断。女性は北見署の安置室に運ばれた。

しかし、警察官があらためて胸に耳をつけたところ鼓動があり、医師が駆けつけて呼吸も確認、急きょ、救急車で市内の病院に搬送した。女性は意識不明のまま治療を受けている。

河川敷で発見された当時、女性は冬用のコートを着て、体の上には雪が積もっていた。 同日の北見市の最低気温は氷点下五・七度。女性の発見当時は氷点下二度前後だった。

心臓の動きを確認した医師は「警察官から『生きている』と言われ、急いで鼓動を確かめた。こんなことは初めてだ」と話している。

北見地区消防組合消防署の新井山勉署長は、「救急救命士らの判断は基準通りで誤りはなかった。寒冷地や屋外のケースでは、より厳しい判断基準を課す必要もあるかもしれない」と、説明している。

旭川医大の塩野寛副学長(法医学)は「低体温では脈がなくなったり、瞳孔が開くなど一見、死亡のような状態になることはある。体の硬直にも死後硬直以外に、低体温に伴う硬直もある。確実に死亡を確認できない状態では、病院に運ぶべきだ」と話している。

<蘇生女性>意識を回復 北海道北見市の病院で

北海道北見市で20日、北見消防署の救急隊員にいったん死亡と判断された後に生きていることが分かり、市内の病院で手当てを受けていた女性(27)は21日午前、意識を回復した。生命が危険な状態は脱したという。北見署の調べでは、自宅で遺書が見つかり、睡眠薬の空き瓶があったことなどから、自殺を図ったらしい。(毎日新聞) - 2月21日15時3分更新

 「死亡」と判断された女性、意識取り戻す 北海道・北見

北海道北見市で20日、救急隊員に死亡と判断された後に、北見署の遺体安置所で生きていることが分かった女性(27)は、手当てを受けていた北見市内の病院で21日午前、意識を回復した。女性が倒れていた現場には薬や酒が残され、自宅には遺書があったといい、同署は女性が自殺を図ったとみている。(02/21 19:55)