イタリア、ミイラの呪い

ミイラの呪い?研究者ら7人が謎の死…イタリア

 【ローマ=藤原善晴】イタリア北部のアルプス山中で1991年に発見された約5300年前の男性のミイラにかかわった7人が次々に謎の死をとげ、地元メディアが「ミイラの呪いでは」と報じる騒ぎとなっている。

 ミイラは、死亡時46歳ぐらいだったと見られ、「エッツィ」と名付けられた。最初の「犠牲者」は、発見時に素手でミイラを遺体袋に入れた法医学者。92年、「エッツィ」についての研究発表に向かう途中、自動車事故で死亡した。以後、ミイラ収容の様子を独占撮影したジャーナリストらが次々に謎の死をとげた。

 最近では10月、「エッツィ」についての本の出版を準備中だったオーストラリア在住の科学者トム・ロイ氏が自室で病死しているのが見つかった。

 ロイ氏は、当初、事故死したと見られていたミイラについて、「集団間の争いで殺害された」との研究結果を発表した人物。

 伊レプブリカ紙は「7人目の犠牲者」とした上で、「パソコンから『エッツィ』研究データが消えていた」、と報じた。家族は、ロイ氏が12年前、「エッツィ」研究に取り組み始めた直後に、血液関係の病気と診断された、と明かしている。
(読売新聞) - 12月30日20時54分更新