夢記カテゴリーをつくる

世の中には、全文を読まず、単語だけ拾って自分の物語を勝手に作ってしまう人がいる。そういう人は、普通、こまったちゃんとして無視しておけばよいのだろうが、あとで面倒なので、夢の記録は「夢記」カテゴリーに分類して、明確に現実と区別することにした。
「夢は現実でない」ということを普遍的にみとめることは私の研究分野からみても肯定できないのであるが、一般の方々のためには、こうしておいた方が精神的安定が保ててよいであろうという私の配慮である。私が「夢は現実でない」ということを主張しているわけではないことは留意していただきたい。
もとより、「日録」に書かれていることは、私の妄想世界が造り出した架空の世界のおはなしであって、「私」が実在しているかどうかもわからないのであるから、この「日録」を「現実の世界で起こっていること」と解釈するほうがおかしいのであることはいうまでもない。
なお、「夢記」という語は、鎌倉前期の僧である明恵がそういう題名のものを書いている(実物の一部は、これとか。)ように、古くからあることばであることはいうまでもない。