Wordで文書の組み版

漢文や文書などにみられる独特の組み版がある。ふつうの人は目にすることもまれだろうが、こういうものを日常的に目にする極まれな人種にとっては、この組み版の実現は(個人的満足を得るために)重大事なのである。
もちろん、それを簡便に達成する方法としてほぼ完成されたものは、TeXで、kunten2e.sty*1、sfkanbun.sty*2などのスタイルを利用することであろう。マイノリティーであることに耐えられるなら即座にTeXの導入をおすすめする。
TeXで正覚を得られぬ凡夫は、Wordや一太郎でしこしこ技を磨かねばなるまい。また、方便としてWordを使わねばならぬときもあろう。

行間を固定する 書式->段落->行間

一行の間隔を段落単位で指定可能。
ルビをつけるとその行だけ行間があいてしまうというあほみたいなことを防ぐことができる。
書式->段落->行間

文字の上げ下げ 書式->フォント->位置

一文字、あるいは数文字を行の左右にずらせたい。たとえば、小書きの部分を行の右に寄せるとか、「○○三庚寅年」の「庚寅」を左右にずらせるとか。
こういうのは、「書式->フォント->位置」で実現可能。プレビューができないのが不便。

割注1 書式->拡張書式->割注

オーソドックスな技法。

割注2 ルビ機能を使う

ルビで、親字と同じ大きさのルビを打てば割り注となる。行間の調整は「オフセット」で。
行の中心がずれるので、さきに紹介した「書式->フォント->位置」で、「下げる」を選んで調整。
割注2は手間はかかるが、見栄えは標準の機能で作成した場合よりもよい。

三行割以上

行間を自由に設定できることを思いだそう。三行にそれぞれの項目をかいて、行間を狭めれば見栄えのよい三行割ができる。それ以上行割も、段落の行間の指定と文字の上げ下げでたいてい間に合だろう。

訓点 書式->フォント->上付き・下付き

振り仮名を打ちたいときは、ルビに同じ大きさのルビをうつとか、割り注でなんとかしよう。

まぁ、でも、不便なことは不便なことだ。