エルミタージュで221点紛失 担当者は急死

2006年08月01日10時56分

 ロシアが誇るサンクトペテルブルクエルミタージュ美術館は7月31日、宝飾品を中心とするコレクション221点、約1億3000万ルーブル(約5億2000万円)相当の紛失が内部調査の結果で明らかになった、と発表した。職員の関与を否定できないとしている。

 紛失したのは、同美術館のロシア美術部門のコレクションで、宝石や七宝細工の文化財が主。今回の内部調査を始める際に、この部門を担当する職員が美術館内で急死。同僚が調べた結果、多くの所蔵品の紛失が明らかになったという。経緯について今後調査を進めるとしている。

 美術館は「残念ながら、歴史的文書や文化遺産の紛失は今回が初めてではない」と指摘。背景にロシア社会に蔓延(まんえん)する犯罪化傾向、職員のモラルの荒廃、所蔵品の保管・管理システムの老朽化があったと報告している。

 エルミタージュ美術館は、ロシア皇帝が住んだ冬宮の建物を利用した世界最大級の美術館。廊下の総距離約30キロ、所蔵総数が300万点余とされる。
http://www.asahi.com/international/update/0801/010.html