アポロ11号の歴史的映像、原本が行方不明

2006年08月15日10時50分

 人類初の月着陸を成し遂げた米宇宙船アポロ11号の記録テープの原本が行方不明になっていることが14日、わかった。ロイター通信が伝えた。この中には、アームストロング船長が月に降り立ったとき、「これはひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」と語った歴史的映像も含まれているという。

 アポロ11号は1969年7月20日に月面に着陸。アームストロング船長とオルドリン飛行士が月面に降り立ち、様子は世界中に中継された。

 行方不明のテープは約700箱分。米航空宇宙局(NASA)は1年以上も捜してきたが、発見できなかった。

 米国の一部には「大気がない月面で星条旗が波打っている映像があるのはおかしい」などとして、「アポロの月着陸はなかった」と主張するグループがおり、彼らの主張をモチーフにし、舞台を火星に置き換えた英映画「カプリコン・1」も77年に製作されている。

 行方不明になったテープには映像や音声のほか、乗組員や宇宙船の状態などが記録されていた。NASAの広報担当者は「データはすべて別の記録媒体にコピーされており、心配はしていない」としているが、「直接証拠」の紛失で、面目を失う形となった。
http://www.asahi.com/international/update/0815/009.html