詰めた小指3本誰のもの 届けられた多摩署が苦慮

2006年09月06日03時00分

 川崎市多摩区のマンションの一室から小瓶に入った小指3本が見つかり、多摩署に届けられていたことが分かった。同署は傷害事件として捜査を始め、うち2本の「所有者」は分かったものの、だれに返すべきか、対応に苦慮している。

 今年4月、横浜地裁川崎支部の執行官が家賃滞納に絡んでマンションを調べた際、紙袋に入っていた3本の小瓶を発見。それぞれに、第1関節で切断された小指が、ホルマリンとアルコールにつけられて入っていた。マンションは稲川会系暴力団組員が借りていた。

 神奈川県警の調べで、1本は暴力団関係者(35)のものと判明。「自分で詰めた。返して」と話しているという。

 しかし、問題なのは、もう1本の小指。北海道で服役中の20代の幹部組員の指と分かり、捜査員が面会に出かけた。その際、「自分で切った。組事務所の神棚にあるはずが、なぜ警察が持っているのか。処分してくれ」と頼まれたという。

 一方、この3本の指を預かっていたという別の幹部は同署に、「返してほしい。人のいない時、神社裏に埋めるのが、しきたりだ」と言ってきたという。

 捜査幹部は「『処分してくれ』『返してくれ』と言われても、どうしたものか。詰められた指の扱いは法律で決められていないし……」と頭を抱えている。
http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY200609050400.html