木村被告「ばれないように」と神社に祈願書 検察側指摘

2006年09月07日15時09分

 「ばれたら逃れる道がありません」「飛び火しませんように」――。検察側は初公判で、木村被告が耐震強度偽装の発覚で会社がつぶれないよう「神頼み」をしていたことを明らかにした。

 詐欺に当たるかどうかの焦点は、昨年11月7日にサンホテル奈良側から工事代金の入金を受けた段階で、木村被告がどこまで姉歯被告の偽装を認識していたかだ。

 冒頭陳述で検察側は、木村被告が入金前日の11月6日、自らが信仰する神社への祈願書を作っていたことを指摘した。

 「過去工事を調査されたら木村建設はつぶれます」「国土交通省の調査がヒューザーの物件のみで終わり、木村建設に飛び火しないようにお願い申し上げます」

 そう書き込んだ祈願書を翌7日、妻に依頼して神社にファクス送信させたという。検察側は木村被告が偽装を認識していた証拠の一つとして位置づけている。

 検察側はほかに、昨年10月27日の段階で、ヒューザー小嶋進被告=詐欺罪で起訴=から姉歯被告の偽装について電話連絡を受けた元東京支店長の篠塚明被告=建設業法違反の罪で公判中=の報告を受けていた――などと指摘。「木村被告には、遅くとも10月28日ごろにはサンホテル奈良についても姉歯被告による偽装の認識があった」と主張した。
http://www.asahi.com/national/update/0907/TKY200609070214.html