反米宣伝の「東京ローズ」 ダキノさん死去

2006年09月28日02時43分

 第2次大戦中に対米宣伝放送に従事し、「東京ローズ」として知られたアイバ・トグリ・ダキノさんが26日、老衰のためシカゴで死去した。90歳だった。

 1916年ロサンゼルス生まれの日系2世。41年に来日したが、開戦のため帰米できず、43年から対米宣伝放送「ゼロ・アワー」のアナウンサーに。「太平洋のみなし児さん、あなたたちの船は全部沈んでしまった」などと前線の米兵に語り掛けたとされる。「東京ローズ」は米兵が女性アナたちにつけたニックネーム。

 戦後、他の女性アナは日本に残ったが、アイバさんは帰米。このため、サンフランシスコの連邦地裁は49年、アイバさんに国家反逆罪で罰金1万ドル、禁固10年の有罪判決を言い渡し、市民権をはく奪した。アイバさんは仮釈放まで6年以上服役し、77年に当時のフォード大統領が特赦命令を出すまで「反逆者」の汚名をかぶったままだった。(時事)
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