エアバスの超大型機「A380」、3度目の納入遅れ

2006年10月04日10時04分

 欧州の旅客機大手エアバスは3日、総2階建ての超大型機種「A380」の引き渡しが約1年遅れるとの見通しを発表した。延期は3度目で、計2年の遅れとなる。総力を挙げて開発する「看板機」の度重なる遅延で、受注競争で先行している米ボーイングとの差がますます広がりそうだ。

 「A380」は、大型機市場で優勢なボーイングの「B747」への対抗機で、これまでに16社から159機を受注した。今回の遅延で、年内を目指してきた初号機の引き渡し・就航が07年10月にずれ込む。25機から9機に減らしていた07年の納入予定は結局、初号機だけになり、08、09年も従来の見込みの5〜6割程度にとどまる。遅延は、05年夏、今年6月と同様に、電気系統の作業の遅れが原因だという。

 違約金なども含めて10年までに48億ユーロ(7200億円)の利益が吹き飛ぶ見通しで、エアバスは人員削減も伴う大幅なリストラに着手する考えだ。欧州メディアによると、エアバスはすでに4〜5機の発注取り消しを見込んでいる。
http://www.asahi.com/business/update/1004/068.html