松本教授に停職1年 不正受給問題で早大が処分 辞職へ

2006年10月05日23時19分

 早稲田大学理工学術院の教授会は5日、国の研究費を不正受給した松本和子教授を停職1年とすることを決めた。松本教授はすでに辞表を提出しており、今回の決定を受けて辞職する。

 大学のこれまでの調査では、松本教授は国の研究費の一部1472万円を労働実態のないアルバイト代として学生の口座に振り込ませ、それを教授の口座に移させていた。企業との取引を通じて約2500万円を不正受給した疑いもあり、大学は計約4000万円を国に返還する方針を発表している。

 松本教授が国の総合科学技術会議の議員という科学技術行政の指導的立場にあったことなどから、事件の社会的な影響の大きさを考えて懲戒解雇にすべきだとの意見も学内にはあった。

 だが、不正受給が確認された研究費を私的な用途に使った事実が確認されなかったことなどから、教授会では、解雇ではなく停職に落ち着いたとみられる。

 松本教授は不正が発覚した6月、懲戒処分を受けることは決まっていたが、具体的な処分内容が決まっていなかった。
http://www.asahi.com/national/update/1005/TKY200610050365.html