研究成果公開促進費:iPod購入…目的外使用目立つ

 大学や学会の研究成果を公開するために交付された予算で、デジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」を購入するなど、本来の目的と関係ない使われ方をしている実態が明らかになった。科学技術振興予算は歳出削減の例外として、一貫して増額されているが、目的を果たしているかのチェックも求められそうだ。

 財務省が05年度の「研究成果公開促進費」(30億5000万円)のうち、47件7億3100万円について調べた。それによると、指定された専用口座で予算の管理を続けていたのは12件だけ。補助金を大学の口座に振り替えたり、専用口座を研究者の個人口座同様に使うなどのずさんな管理が目立った。

 研究成果を一般公開するための「データベース作成事業」では、予算の6割を事業と関係ない消耗品やシュレッダー、iPodなどの購入に充てていた例があった。

 研究成果を紹介する学術刊行物では、ほとんど使用されないまま廃棄されるなど、調査対象3億300万円の約9割が不要な刊行物作りに使われていた。【古田信二】

毎日新聞 2006年10月20日 20時22分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061021k0000m040092000c.html