フセイン元大統領に5日にも判決 イラク厳戒態勢

2006年11月05日01時02分

 イラクサダム・フセイン元大統領らを裁くイラク高等法廷は、5日にも元大統領らへの判決公判を開く見通しだ。政府高官は4日、バグダッドと周辺2州で5日朝から外出禁止令を出すと明らかにした。死刑判決が出れば、連日数十人規模の犠牲者を出しながら続く宗派対立がさらに激化するとみられる。

 判決が出るのは、82年のシーア派村民虐殺事件の裁判。被告は元大統領ら8人で、うち元大統領ら4人に死刑が求刑されている。審理は7月27日にほぼ結審し、10月16日にも判決が予想されたが、延期された。5日は、米中間選挙の投票日2日前というタイミングのため、現地では、米ブッシュ政権による露骨な政治利用だとの批判が強く、特別法廷側は再延長も示唆していた。

 死刑判決の場合、自動的に控訴手続きが取られる。しかし、判決がこのまま確定する可能性もあり、死刑の場合、刑確定後30日以内に執行され、どんな恩赦も許されない規定になっている。
http://www.asahi.com/international/update/1105/001.html