踊り子に「ご祝儀」計二十数万円、静岡県吉田町長が辞意

2006年11月07日22時03分

 静岡県吉田町の田村典彦町長(62)が、8月にあった地区の夏祭りで、祭りの踊り子ら約60人に「御祝儀」として計二十数万円を配っていたことが分かった。田村町長は公職選挙法違反(寄付行為の禁止)の疑いで県警の事情聴取を受けており、「責任を取る」として7日、記者会見で辞職を表明した。「違反行為であることは重々承知していたが、20年ほど前からやってきた。長年続いた慣習だった。断りきれなかった」と話している。

 祭りは、地域にある唯一の神社の例大祭で、8月4〜6日に開催。当番にあたった2町内会からそれぞれ屋台が出て地区内を練り歩き、子どもや大人が踊りを披露する。町長の住む町内会は4年に1度の当番にあたり、屋台(山車)を出した。

 田村町長は4、5の両日、2台の屋台に祝儀として各5万円、ほかに踊り子ら約60人に、子どもは2000〜3000円、大人は5000円配ったという。子どもへは祝儀袋に「○○ちゃん」とあて名を書いて渡していたほか、屋台への祝儀は昨年より2万円多くしたという。

 町議数人も慣習に従い、祝儀を配ったことを認めている。
http://www.asahi.com/national/update/1107/TKY200611070574.html