フセイン元大統領の死刑執行 イラクで報道

2006年12月30日12時31分

 イラク国営テレビによると、同国のサダム・フセイン元大統領の死刑が30日早朝(日本時間同日昼)、バグダッドで執行された。米英主導のイラク戦争で旧政権が崩壊して3年半で、独裁体制を敷いた旧指導者が絞首刑となった。しかし、イラク戦後、宗派対立で泥沼化した治安が改善する見通しはまったくない。

 元大統領は06年11月5日、一審にあたる高等法廷で、82年に中部ドゥジャイル村の住民148人を虐殺した「人道に対する罪」により死刑判決を受けた。12月26日に控訴院が判決を支持し、死刑が確定していた。

 1937年、バグダッドの北約150キロのティクリート出身。79年に大統領に就任。翌年から8年間、隣国イランと戦争を続けた。90年にクウェートに侵攻、翌年の湾岸戦争多国籍軍に敗退。その後も大量破壊兵器を破棄していないとする米国が03年に武装解除や亡命を求めたが拒否し、イラク戦争を招いた。
http://www.asahi.com/international/update/1230/006.html