丹波に肉食恐竜? 草食竜も同時発見

2007/01/01

 肉食恐竜の歯や草食恐竜のろっ骨とみられる化石が、丹波地域の中生代白亜紀前期(約一億三千万年前)の地層から発見されたことが、三十一日までに分かった。兵庫県人と自然の博物館三田市)が分析を進めており、確認されれば、肉食恐竜としては近畿初の発見。草食恐竜では県内二例目となる。同博物館は一月下旬にも本格的な発掘に着手する予定で、国内有数規模の恐竜化石発見地となる可能性も高い。

 化石は二〇〇六年夏、アマチュア研究者が発見。連絡を受けた同博物館が同年九月末に試掘した。関係者によると、見つかったのは、肉食恐竜の歯とみられる化石(長さ約一センチ)と、草食恐竜のろっ骨、背骨、尾の骨などの一部らしい化石。状態は良く、数種類の恐竜の可能性が高い。

 ろっ骨は、首と尾が長く四本足で歩く草食恐竜ティタノサウルス類とみられる。アフリカ南東部のマラウイ共和国で発見された「マラウイサウルス」(全長約一〇メートル)に特徴が似ているが、新種の可能性もあるという。

 発見場所は、篠山盆地一帯に広がる地層「篠山層群」の近く。白亜紀前期には大陸内部の湖だったとされ、恐竜の骨は土砂とともに流れ込んで堆(たい)積(せき)したと推定される。

 篠山層群の成り立ちや年代は、国内最大の恐竜化石発見地帯、手取層群(福井、石川、富山、岐阜県)と共通しており、以前から研究者の間では篠山層群での発見の可能性が指摘されていた。

 〇六年九月の試掘では、数日間で複数の化石を発見。より広範囲を発掘すれば多数見つかる可能性が高まり、本格発掘が決まった。結果次第では恐竜の種類特定などが期待されている。

 発掘を前に、安全確保や盗掘防止などを目的に同博物館や丹波県民局、兵庫県警などが連絡協議会を設置する予定。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000205608.shtml