<暴力団>「6代目清水一家」を継承…ネーミングで拡大狙う

2月28日20時43分配信 毎日新聞

 指定暴力団山口組の2次団体で静岡市清水区を本拠とする「2代目美尾組」が28日「6代目清水一家」を継承した。県警は、仁義に厚く庶民に慕われた清水次郎長(1820〜1893)のネーミング効果で組員拡大を狙ったものとみている。次郎長を観光の目玉にしている地元観光業者の間で波紋が広がっている。
 美尾組は、03年にヤミ金融事件で会長が逮捕された五菱会が改称した組織。県警によると、継承は66年解散の5代目清水一家の元組長=同区在住=が正式に認め、同日午前0時から暴力団関係者を集めた継承式もあった。
 一方、22日、同市暴力追放推進協議会が継承阻止を求める要望書を県警清水署に提出し、県警は警戒を強めている。驚き困惑しているのは「清水一家せんべい」などの商品を販売したり「次郎長道中」などの行事を運営する地元業者らだ。
 同市観光協会は、次郎長の生家や晩年を過ごした船宿で関連商品を販売中だが、「清水一家」の名がつくキーホルダー、のれんなどの商品を引き揚げた。観光業者は「昨年はドラマも放映され人気が出てきたばかりなのに」と肩を落とす。
 仮装行列「次郎長道中」を続ける清水みなと祭り実行委も抜刀のポーズや「切った張った」の口上を控えるなどの対応を検討し「今年は祭りの60周年だが、変に注目されるのは困る」と話す。「清水一家」を冠した弁当を販売する弁当チェーンも「県外の客からも人気がありイベントなどでは一番人気。今後の売れ行きが心配」と話している。【山田毅、田口雅士】
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