丹波竜、博物館へ引越し

2007/03/22


 丹波市山南町上滝の恐竜化石発掘現場で、兵庫県人と自然の博物館は二十二日、採集した最後の化石を同博物館に搬出し、一カ月余りの第一次発掘調査を終えた。今後は周りの岩石を取り除くクリーニング作業をし、種の特定などの研究を進める。

 搬出には、岩盤ごと石こうで固める「プラスタージャケット」という技法が採られた。この日運び出された岩盤は、これまでで最大規模のもので重さは約一・二トン。

 石こうで覆われた岩がクレーン車でゆっくりとつり上げられると、ボランティアらから「ようやく一段落」「お嫁に送り出す気分だ」などの声が上がった。

 三枝春生研究員は「まずは発掘された尾椎の形態を明らかにしたい。恐竜の進化を考える上で非常にいい標本になるだろう」と話していた。

 現場の地層内にはまだ化石が残っているため、今後、発掘した地表面をコンクリートで固め、河川による流出や盗掘を防ぐという。(前川茂之)
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000278017.shtml