「丹波竜」条例制定へ 盗掘に罰則など

2007/03/25

 国内最大級の恐竜化石の発見を受け、丹波市は発掘現場周辺の化石採取を禁止する「恐竜化石保護条例」を制定する。市民の財産の化石を守るため、違反者には原状回復と「五万円以下の過料」を科す。発掘調査が数年がかりになることも想定し、現場周辺から化石の盗掘を防ぎ、調査をスムーズに進めるのが目的で、四月にも開く市会に同条例案を提案する予定。

 同条例案によると、保護区域として、発掘現場を中心に、白亜紀前期の地層がある地域など周辺の約二十二平方キロメートルを指定する。発掘された篠山川の上下流約十二キロも範囲に含める。

 恐竜化石を文化的価値の高い市民共有の財産として位置づけ、市長の許可を得た研究者や土地の所有者を除き、化石の採取や化石を含む土地の破壊などの行為を禁止する。また、化石を発見した場合、市へ届け出ることを求めている。市は必要に応じて監視員を置くことも盛り込んでいる。

 県立人と自然の博物館は「動植物や景観を守る条例は全国に多いが、恐竜化石の保護を目的にしたものは珍しい」としている。(小林良多)
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000280347.shtml