ペンタックス社長辞任へ 対HOYA合併巡り内紛

2007年04月09日08時20分

 光学機器大手ペンタックスの取締役会が、レンズ大手HOYAとの合併計画をめぐって二分し、浦野文男社長(63)が辞任する見通しとなった。4日の臨時取締役会は浦野氏ら2人の反対を押し切って合併断念を決定。HOYAは株式公開買い付け(TOB)による買収方針に切り替えたが、合併断念に賛成した6人はTOB反対でも足並みをそろえる見込みで、HOYAのTOBが敵対的になる可能性もある。

 両社は昨年暮れ、今年10月の合併計画を発表。だが関係者によると、ペンタックスの今月4日の取締役会で「株主の一部に合併比率への不満があり、合併計画は株主総会で否決されるリスクが高い」として出された断念の動議が賛成多数で成立。反対したのは、計画を進めてきた浦野氏と森勝雄取締役専務執行役員(62)だったという。

 HOYAの反応を受けて合併の白紙撤回を表明することも決定。また、計画推進の責任も問われた浦野、森両氏は5月までに辞任する意向を表明し、後任社長は綿貫宜司・取締役上級執行役員(54)にすることも全会一致で決めたという。

 こうした動きに対し、HOYAは9日の取締役会でTOBの実行を決める構えだ。ペンタックスは同日中にも臨時取締役会を開き、TOBへの態度を議論する予定だが、TOBだとHOYA主導色が鮮明となるとして反対を決議する公算が大きい。そのうえでHOYAが買収を進めるとなると敵対的TOBとなり、事態が泥沼化しかねない。
http://www.asahi.com/business/update/0409/TKY200704080149.html