ペンタックス株、HOYAが買収へ 「対等合併」を変更

2007年04月06日21時22分

 光学ガラス大手のHOYAは6日、カメラ大手のペンタックスに対して株式公開買い付け(TOB)を実施する方針を明らかにした。両社は10月の合併を予定していたが、ペンタックスの大株主から合併比率に不満が出ていたため、TOBに切り替えて買い取り価格を引き上げる。ただ、両社は「対等の精神」を強調していただけに、買収されるペンタックス側に今後、不協和音が出る可能性もある。

 HOYATOBを6月下旬から7月上旬まで実施。ペンタックス株の買い取り価格は1株770円を想定している。昨年12月の基本合意直前の3カ月間の平均株価に約30%分を加算し、ペンタックス株主の理解を得て経営統合後に主導権を握る考えだ。9日の取締役会で正式決定する。

 両社は当初、ペンタックスの株主に対し、1株につきHOYA株0.158株を割り当てる予定だった。しかし、ペンタックスに出資する投資ファンドなどが「比率が不利だ」として見直しを要求。株主総会で合併決議案が否決される恐れがあったため、HOYAは「対等合併」から「買収」へと切り替える。4月上旬に予定していた合併の最終契約は見送る。

 TOBへの賛同決議にはペンタックスの取締役会で過半数の賛成が必要。HOYAは、ペンタックスの主な経営陣からすでに賛同を取り付けている模様だが、統合方針を買収に切り替えたことで、ペンタックスの一部で反発も予想される。
http://www.asahi.com/business/update/0406/TKY200704060321.html