70歳女を死体遺棄容疑で逮捕 「葬式の金がなかった」

2007年04月11日21時20分

 同居男性の遺体を自宅に隠していたとして、大阪府警は11日、堺市堺区百舌鳥(もず)夕雲(せきうん)町2丁、無職多田敏子容疑者(70)を死体遺棄容疑で逮捕した、と発表した。同容疑者は「葬式を出すお金がなかった。お金がたまったら葬式を出そうと思っていた」と供述しているという。10日、生活保護の相談に堺区役所を訪ねた帰りに友人へ打ち明け、事件が発覚した。

 堺北署の調べでは、多田容疑者は昨年10月、同居していた西田敬治さん(当時72)の遺体を自宅アパートの押し入れに遺棄した疑い。発見時、遺体は毛布にくるまれ、ポリ袋に入れられた状態だったといい、司法解剖の結果、死因は栄養失調。

 同容疑者は、西田さんと約30年前から同居し、約13年前に西田さんが仕事を辞めてからは、清掃会社で働いて得た月8万〜10万円ほどで生活していた、と説明。昨年10月11日早朝、西田さんに朝食を用意して仕事に出かけ、夕方帰宅すると、西田さんが和室で座った状態で亡くなっていた、と話しているという。

 堺区役所生活援護第1課によると、同容疑者は2月末に清掃会社を解雇された。4月10日昼に相談に来て「年金はもらえない状態」などと説明したという。同課が「今週中にも家庭訪問する」と伝えたことから、友人に打ち明けたとみられる。
http://www.asahi.com/national/update/0411/OSK200704110055.html