中南米最古、140年前の潜水艦を捜索 チリで作戦開始

2007年04月24日22時01分

 140年前に沈んだ中南米初の潜水艦を発見しようという試みが今月中旬、チリ中部バルパライソ港で始まった。海軍のダイバーらも協力する。

 1866年にドイツ系移民のカール・フラッチ氏が製造した。その名を取って「フラッチ号」と名付けられた。チリは当時、南米を再び制圧しようとしていたスペインと戦争中で、活躍が期待されていた。

 全長12.5メートル、幅1.5メートル。二つのスクリューを乗組員が人力で動かす仕組みで、2〜3ノットで航行できるはずだった。実験では潜航可能とされていたが、5月3日に実際に海に出た直後に沈んだ。フラッチ氏と息子、チリ人、フランス人ら乗組員計11人も海のもくずと消え、忘れ去られていた。

 調査は06年12月以来2回目。ロイター通信によると、ひ孫のギジェルモさんは曽祖父の挑戦の証しを見つけ、「チリの歴史に存在した『正義』を探し当てたい」と意気込んでいる。
http://www.asahi.com/international/update/0424/TKY200704240370.html