「母殺した」 少年が切断した頭部持ち警察に自首 福島

2007年05月15日12時34分

 15日午前7時ごろ、福島県会津若松市内に住む県立高校3年の少年(17)が「母親を殺した」と会津若松署に自首した。少年は切断されたとみられる人の頭部を学校指定のバッグに入れて持っていた。少年のアパートからは、頭部を切断された母親(47)の遺体が発見された。少年は「刃物で殺した」と話しており、県警は殺人容疑で少年を緊急逮捕した。

写真現場周辺を調べる捜査員たち=15日午前10時45分、福島県会津若松市内で、本社ヘリから
地図少年が暮らすアパートや実家の現場周辺地図
写真母親を殺したとして少年が自首した会津若松署=15日午前10時4分、会津若松市内で
グラフ少年による殺人・殺人未遂事件の推移

 県警によると、少年は「世の中からテロや戦争がなくなればいい。殺すなら誰でもよかった」と話しており、動機などについて慎重に調べている。県などによると、最近は学校を休みがちだった。少年は精神科に通院歴があるという。

 県警によると、少年は1人で同署に現れた。同署員が少年のアパートに駆けつけたところ、布団の上に母親の遺体があった。血の付いた包丁も室内で見つかったという。少年は、15日午前2時ごろに寝ている母親を殺害した、と供述しているという。

 少年の両親は、会津若松市から約60キロ離れた金山町に住んでおり、少年は、会津若松市内の県立高校に通うため、高校2年の弟とともにアパートを借り、2人で暮らしていた。近所に住む人の話によると、週末にアパートを訪れる母親の姿が見られたという。

 県警によると、同居の弟は別の部屋にいて、気づかなかったらしい。

 現場は、JR会津若松駅から約2キロ離れた住宅街。現場周辺には「立ち入り禁止」のテープが張られ、ふだんは閑静な一帯が騒然となった。

 関係者によると、母親は保育士。家庭内のトラブルについても、母親からは聞いていないという。母親は14日も朝から午後6時ごろまで保育所で勤めていたとされ、その後、少年のアパートに向かったとみられる。

 実家では、少年の父母、父方の祖父母、少年の末の弟の三男が暮らしている。父親は団体職員という。

 少年の通う高校は県内でも有数の伝統校で、4年制大学への進学率は05年度で6割を超えた。県警からの事件の連絡を受けて、同校は間もなく全校生徒を下校させて、自宅待機させている。

 事件を受け、県は15日午前10時15分、県庁で緊急対策会議を開き、対応を協議した。

 佐藤雄平福島県知事や県警本部長、教育長らが参加し、生徒や保護者らの動揺を抑えるため、少年の在籍する高校に、緊急に臨床心理士を派遣することなどを決めた。
http://www.asahi.com/national/update/0515/TKY200705150032.html