ペンタックス取締役会 綿貫社長ら総退陣 統合問題なお流動的

5月25日8時0分配信 産経新聞

 カメラ大手のペンタックスの綿貫宜司社長は24日、光学ガラス大手HOYAとの経営統合問題をめぐって混乱を招いた責任を取り、辞任する意向を固めた。綿貫氏の続投に難色を示した筆頭株主で資産運用会社のスパークス・グループにも辞意を伝えた。綿貫氏以外の7取締役は辞任の意向を固めており、取締役会は総退陣となる。後任社長は鳥越興上級執行役員(59)を軸に調整する。

 ペンタックスは先ごろ、HOYAによる子会社化後の取締役会に綿貫氏と鳥越氏の2人を選び、HOYAからの2人と社外取締役1人の計5人で構成する人事案をスパークスに示した。

 しかし、22日から連日続いた両社の会談でスパークスが綿貫氏の社長留任拒否を譲らず、6月下旬に株主総会を控えるペンタックスは、綿貫社長退任以外に事態収拾策はないと判断したようだ。

 ただ、スパークスは24日の会談でも、ぎりぎりまで人事案を精査する姿勢を継続。ペンタックス内部でも次期トップの人事案についてはまだまとまっておらず、迷走が続く可能性もある。

 ペンタックスは25日に予定した取締役会を来週に延期し、株式公開買い付け(TOB)への賛同とともに、取締役人事の決議を目指す。HOYAは、31日の取締役会でのTOB実施決議は堅持する方針だが、統合問題の行方はなお流動的だ。
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