公務員宿舎、3割に集約 財務省有識者会議が提言

2007年06月16日01時48分

 財務省の「国有財産の有効活用に関する有識者会議」(座長・伊藤滋早大特命教授)は15日、東京都内の政府庁舎や、全国の公務員宿舎を整理・統合する具体案を提言した。霞が関財務省庁舎を高層ビルに建て替えて他の省庁も入居させ、全国1014カ所の宿舎も377カ所に集約。そうして空いた計954カ所、382ヘクタールの国有地を売り、15年度までに計1兆5000億円の収入を得る計画だ。

 庁舎や宿舎の建て替え費用には土地の売却収入を充て、差し引き1兆円が国庫に入る見通しだ。

 今年度末に547兆円を超える見通しの国債残高に比べ、「1兆円」はそれほど大きいとは言えないが、今秋以降にも予想される消費税増税論議を前に、まずは政府が「襟を正す」姿勢をアピールする狙いもある。

 新財務省庁舎とその隣の中央合同庁舎第4号館は、どの程度まで高層化するかは、景観問題も踏まえ、東京都や千代田区とも協議して決める。永田町の内閣府本府庁舎の一部も高層化。それぞれ都内に散在する庁舎を移転させる。

 気象庁などがある大手町の2.4ヘクタールは売却が決まっていたが、同庁は国と東京都港区が共同で建設する虎ノ門の再開発ビルに移す。各省庁がそれぞれ持っていた会議室や研修施設、倉庫も共用にして集約する。

 宿舎の集約は首都圏や札幌、名古屋、大阪、福岡などで実施。戸数も6万1000戸から4万8000戸に減らす。
http://www.asahi.com/politics/update/0616/TKY200706150463.html