丹波竜の頭骨の一部発見 化石はイナバウアー状態 兵庫

2007年06月26日21時25分

 兵庫県丹波市で昨年発見された国内最大級の植物食恐竜「丹波竜」の化石の発掘調査をしている県立人と自然の博物館三田市)は26日、切り出した地層の中から頭骨の一部が見つかった、と発表した。丹波竜は4足歩行の竜脚類とされており、竜脚類の頭骨の発見は国内初。今年2月までに尾や胸の骨が見つかっており、同一個体の恐竜の頭部と他の部分のまとまった骨が見つかったのも国内で初めて。全身骨格が発掘される可能性がさらに高まった。

 見つかったのは、脳を収容する脳函(のうかん)と呼ばれる部分の後半部で、縦横15センチ、厚みは8センチほど。中央部に、背骨の先端がつながっていたくぼみがある。すでに見つかっていた尾の部分の骨の尾椎(びつい)の近くで発見されており、死後に筋肉が収縮し、フィギュアスケート荒川静香選手の「イナバウアー」のように、反り返った状態で化石になったとみられる。

 頭部は神経系統や感覚器官が集中して個体の情報が多い部分で、系統進化を考える上でも貴重な発見だという。頭骨の他の部分は今回発掘した岩石の中に入っている可能性があるという。
http://www.asahi.com/science/update/0626/OSK200706260068.html