三社祭の神輿担ぎ手集団、代表の7割は組員 警視庁調べ

2007年07月13日07時07分

 東京・浅草の三社祭で、「同好会」と呼ばれる神輿(みこし)の担ぎ手の集団が三十数団体あり、そのうち約7割は代表者が暴力団組員であることが警視庁の調べでわかった。5月の三社祭で神輿に乗ったなどとして逮捕された同好会会員の1人は「暴力団に10万円を払って神輿に乗った」と供述。別の会員が「半纏(はんてん)は同好会から1日2万円で借りた」と話していることも判明した。

 暴力団が一部の同好会を通じて金を吸い上げている構図が浮かんだ。同庁は、祭りが暴力団の資金源になっている疑いがあるとみている。

 同庁は、これまで実態がわからなかった同好会について今年、初めて調査。その結果、今年の祭りに参加した同好会は関東地方を中心に三十数団体あり、会員は計約1万2000人にのぼっていた。三十数団体のうち二十数団体は、代表者が暴力団組員で、山口組住吉会の系列が大半を占めることがわかった。

 今年の三社祭では、神輿に乗ったり警察官の公務を妨げたりしたとして同好会会員7人が都迷惑防止条例違反や公務執行妨害の容疑で逮捕された。このうち、神輿に乗った1人は、所属する同好会の代表が組員で、「暴力団に10万円を払った」と供述したという。

 祭りの主催者側は神輿に乗ることを強く禁じてきたのに対し、同好会会員の一部は「乗らないと祭りが盛り上がらない」と反発していた。しかし、今回の供述から、神輿に乗る裏で暴力団に金が流れている実態が判明。警視庁は、神輿に乗りたい会員らが暴力団に金を払う仕組みが出来上がっている疑いが強いとみている。
http://www.asahi.com/national/update/0713/TKY200707120475.html