絶壁の国宝・鳥取の投入堂、3人限定の拝観

 鳥取県三朝町、三徳山三佛寺(みとくさんさんぶつじ)は、絶壁に立ち、立ち入り禁止になっている国宝・投入堂(なげいれどう)について11月、1日だけ3人の拝観を認める。参拝者の滑落事故が相次いだため、約60年前に〈封印〉したが、約100年ぶりの修復を記念しての限定公開となる。同寺は「危険にひるまない勇気のある人」を公募している。

 平安時代に建てられた投入堂は高さ約100メートルの絶壁にあり、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が法力で建物全体を絶壁の岩くつに投げ入れたと伝えられている。現在、県などが三徳山全体の世界遺産登録を目指している。

 戦前は規制はなかったが、滑落事故防止と文化財保護のため、戦後間もないころに柵を設け、入れないようにした。

 今回の参拝者は、ほぼ垂直の岩伝いに約10メートル横に、さらに約10メートル上に移動することになる。三佛寺は「参拝すると心と五感が清められ、神仏の境地に近づける。安全のため命綱をつけてもらうが、保険は自分で加入してください」としている。

 対象は18歳以上で、現在、応募は1人だけ。「なぜ拝観したいか」などをテーマにした作文で選考する。締め切りは9月1日。問い合わせは同寺(0858・43・2666)へ。
(2007年8月21日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070821p302.htm