<国際柔道連盟>山下泰裕氏が理事落選 執行部に日本人ゼロ

9月11日8時49分配信 毎日新聞

 【リオデジャネイロ来住哲司】国際柔道連盟(IJF)は10日、当地で開いた総会で任期満了に伴う一部理事の改選を行い、教育・コーチング理事の再選を目指した84年ロサンゼルス五輪無差別級金メダリストの山下泰裕氏(50)が、アルジェリア連盟会長のモハメド・メリジャ教育・コーチング委員に61対123の大差で敗れた。IJFの執行部に日本人がいなくなるのは、日本が1952年にIJFへ加盟してから初めて。競技発祥地としての日本の、IJF内での発言力低下が懸念される。
 総会は非公開で行われ、理事改選はIJF加盟199カ国・地域の代表者による投票で決まった。メリジャ氏の任期は4年。また、今総会前に辞任した朴容晟(パク・ヨンスン)前会長(韓国)に代わる新会長に、マリアス・ビゼール会長代理(オーストリア)=欧州連盟会長=の就任が全会一致で承認された。任期は6年。
 IJFの理事は現在、会長、各大陸代表の副会長5人、事務総長、財務総長に加え、技術理事と呼ばれる審判、スポーツ、教育・コーチング各担当理事の計11人。教育・コーチング理事は柔道の指導・普及に関する提案や発展途上国への援助などを受け持ち、山下氏まで3代続けて日本人が就任していた。
 IJF内部では近年、朴氏とビゼール氏が対立し、山下氏は朴氏を支える立場にいた。出身母体の欧州以外にも支持層を広げていたビゼール氏はメリジャ氏を支援しており、山下氏は選挙結果に「思った以上に厳しかった。ビゼール会長に負けたということだと思う」と感想を述べた。日本人理事がいなくなることには「会長は理事数を増やす方針なので、今後だれか入るかもしれない」と話した。
 山下氏は03年9月、大阪市であったIJF総会で同理事に立候補し、無投票で就任。発展途上国への柔道着や畳の援助、五輪や世界選手権での不正柔道着の取り締まりなどに尽力し、今回の選挙戦では4年間の実績を訴えていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070911-00000021-mai-spo