89歳老学者、38歳橋下知事に「暴挙」と叱る

4月9日2時4分配信 産経新聞

89歳老学者、38歳橋下知事に「暴挙」と叱る

 大阪府橋下徹知事が進める府立施設の見直し計画について、直木孝次郎・大阪市大名誉教授らが8日、府教委を通じて府立弥生文化博物館(和泉市)などの存続を求める署名などを再提出した。このあとの記者会見で、難波宮跡の保存運動などで知られる89歳の老学者は、「秦始皇帝焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)にも比すべき暴挙」と、38歳の若い知事を叱(しか)った。府改革プロジェクトチームは今週末にも、府立施設見直しの素案をまとめるが、弥生文化博物館と泉北考古資料館(堺市)は、近(ちか)つ飛鳥博物館(河南町)への統合を検討するとの方向性を示している。

 直木さんら歴史、考古学者は、全国から寄せられた1万189人分の統合反対署名を提出するとともに記者会見。「弥生博は弥生時代を代表する池上(いけがみ)曽根遺跡に隣接する弥生時代専門の博物館。泉北資料館も日本の焼き物の発祥地である陶邑窯跡(すえむらようせき)群を実地で見学できる施設。現場を離れてしまっては意味がない」と反対理由を述べた。
 旧海軍で軍隊生活も経験した直木さんは、歴史に学ぶ重要性を痛感し、日本の古代史研究をリードしてきた。昭和30年代から始まった難波宮跡(大阪市中央区法円坂)の保存運動を中心となって進めた。また歌人としても有名で、昭和62年の宮中歌会始の召人をつとめている。
 直木さんは、橋下知事が「図書館だけ残してすべて見直す」と話していることにもふれ、「本を読むことは大事だが、『百聞は一見にしかず』という諺(ことわざ)もある通り、本だけではわからないこともある」と、知事の文化に対する認識不足を批判した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080409-00000903-san-pol