DMV車両 静岡・富士市で走行試験へ 線路と道路を走る

 
 JR北海道が開発した、線路と道路の両方を走行する新型車両「デュアル・モード・ビークルDMV)」が24日、静岡県富士市で走行試験を行う。DMVが道外で走るのは初めて。次世代の交通機関として、実用化の機運が高まっている。
 走行試験は、DMVの早期導入を目指す市の要請にJRが応じた。市の東南部を走る富士急行グループの岳南鉄道(9.2キロ)の線路を使い、DMV1両が市場踏切−岳南原田駅間(2.8キロ)を鉄道車両として走行。復路は市街地の道路3.2キロをバスとして走行する。試験は24〜26日の3日間。いずれも最終列車が通過後の深夜に走らせて安定性や走行時間などを点検する。
 この結果を元に、年明けの1月14、21日の両日は市民向けに1日5回のデモンストレーション走行を昼間に市街地で行う計画。
 2市1町が合併して誕生した富士市は市街地が分散している。私鉄やJRを有効に結ぶ交通システムとしてDMVに注目し、鈴木尚市長や市議会議員らがJR北海道の苗穂工場(札幌市東区)を訪れ、すでに試乗している。デモ運転に向けて富士急行・静岡バスの運転手が同工場でDMVの運転技能を学んだ。
 JR北海道は来年4月から釧網線の浜小清水−藻琴駅間で試験的な営業運転を始める。道外の試験・デモ走行は当面、富士市だけ。「道外での活用は釧網線での運転実績を元に検討したい」(小池明夫社長)という。【斎藤誠
毎日新聞) - 11月20日17時9分更新
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