「20年追い続けた」在野の研究者ら興奮

2007/01/04

 「大変、興奮している。恐竜学の進展、そして地域の発展につなげてほしい」。白亜紀前期の草食恐竜「ティタノサウルス類」の化石を発見したのは、兵庫県丹波地域で二十年以上にわたって化石を追い続けてきた在野の研究者たちだった。三日、三田市の県立人と自然の博物館で、夢をつかんだ喜びと本格発掘への期待を語った。

 丹波市柏原町の元高校教諭足立洌(きよし)さん(63)と、同市山南町の元会社員村上茂さん(62)。足立さんは長年、丹波地域の地層や化石の研究を続けており、二〇〇六年春から友人の村上さんと共同で「篠山層群」の調査を月二、三回のペースで行ってきた。

 同年八月七日。村上さんが偶然、地層表面から約一センチほど突き出た灰褐色の骨を見つけた。二人で二時間半ほどかけて掘り出した。

 「相当大きい動物だ」。足立さんが専門書などで検討した結果、恐竜の肋骨(ろっこつ)の可能性が高いと判断。九日、さらに五つの化石断片を発見し、九月に同博物館と試掘した。

 「これまで見たことのない、すごいものが出た。不思議な感覚でした」と足立さん。今後に期待するのは、草食恐竜の全身骨格の発見と、化石を生かした地域の発展や科学教育の推進という。

 二人は「行政、博物館、そして民間の研究者が協力し、発掘の成果を地元に還元できれば」と情熱を込めて語った。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000206757.shtml